応援企業紹介|株式会社 松川レピヤン
※〈応援企業紹介〉の記事では、就職氷河期世代の方々をはじめ、就職や転職活動に向き合うみなさんを応援する福井県内の企業を紹介していきます。採用に対する企業の考え方や、転職経験のある方々の体験談から、ぜひ明日に向き合うヒントを見つけていただければ幸いです。
今回は、福井県坂井市の織ネーム老舗メーカー 松川レピヤンの松川さんと中村さんにお話をお伺いしました。
■担当者のお話|松川 享正 さん
ー松川さん、本日はどうぞよろしくお願いします。さっそくですが、現在御社で働かれている従業員さんのおおよその年代構成を教えてください。
平均年齢は約39歳、割合でいうと30代40代が多いですね。50代はごそっといないです。
男女比率でいうと男性が2、女性が8です。結構繊維企業はそういう男女比のところが多いですね。
ー普段の採用はどのような形で行っていますか?
今年は新卒採用もこれまでで一番多かったんですけど、基本的には中途採用がほとんどです。経路としてはハローワークからの紹介が一番多いですね。
うちは採用試験の際に簡単な国語や算数のテストがあって、面接も割と長めに行います。
その結果もし不採用になったとしたら、なぜダメだったかという理由はある程度ちゃんと伝えるようにしています。そうしたら受けてくれた人も「不採用」ということ以外に得られることがあるじゃないですか。
そうやって求職者の方も大事にすることで、ハローワークさんとも信頼関係を築いていけるようにしています。
ー他業種から転職されてくる方もいると思うんですが、採用にあたって経験の有無というのはどの程度重視されていますか?
同業の経験者はほとんどいないので、そこはほとんど気にしてないですね。もうお人柄だと思います。採用の前にお試しで職場体験みたいなものをやってもらって、そのときにコミュニケーションの雰囲気なんかをお互いに確認するということは結構あります。
いま、グループ会社も含めると130名くらいの組織になったので、部署の数も多いし、ブランドをつくったり小売店を始めたり、飲食にも挑戦しようとしたりとか、産業観光をやったりとか本当にいろいろやることがあるんです。
なので、例えば最初に配属された部署が合わなかったとしても「じゃあこっちの部署で試してみようか」と言えるようにもなりました。それは経営側としてもよかったなと思いますね。
ーこれから就職活動や転職活動に向かわれる皆さんに、松川さんからお伝えしていただけることがあればお願いします。
ぼくたちの場合は、面接をするときにコミュニケーションを深めにとるようにしてて、そこに乗ってきてくれるかどうかっていうのがぼくたちにとってはすごく重要だったりします。
個人の能力の差って本当にわずかなので、じゃあ何で人を選ぶかとなると、その人と話したいかどうかとか、そういうところだと思うんですね。
スキルとか経験も大事ですけど、一緒に過ごしたいと思える人かどうかっていうのは大事なんじゃないかなと思ってます。
ー松川さん、ありがとうございました!
■転職経験者へのインタビュー|中村 亜美さん(38)
ー中村さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、松川レピヤンに入社されるまでの来歴を教えていただけますか。
小学校の教諭になるのが夢で、大学は教育学部だったんですね。でも当時は先生になれるのはほんの一握りという状況だったので、教職過程を勉強しつつ、就活もそこから始めました。自分も含めて就活はかなり苦戦して、エントリーシートを30社ぐらい書きましたし、面接も20社ぐらいは県外も含めて受けたりしました。
教育実習に行ったときの適性評価では「あなたは教師になるために生まれてきた」ぐらいの評価をもらってやっぱり天職だと思ったのに、いざ卒業してみたら全然なれないっていうのが一番の挫折だったかもしれないです。
結局、複合機の営業を行う会社に就職したんですけど、松川レピヤンはその営業先だったんです。そこで「うちの会社に来ない?」って声をかけてもらって。
前職にはそこまで大きな不満があったわけではないんですけど、結婚や子育てのことを考えるといつか限界がくるんじゃないかなと思ってはいて。なので、声をかけてもらったその数ヶ月後には本当に転職してましたね。
ーありがとうございます。すごい話ですね。いま松川レピヤンはどんなお仕事をされているんでしょうか?
事務所の仕事をやりつつ、セールスプロモーション課というところで広報的な役割を担ってます。セールスプロモーション課は7人いるんですけど、私は地域の高校なんかに出向いてお話をさせてもらったりしてます。もともとが教員になりたいっていうのもあって、すごく自分に合ってるなっていう感覚はあります。子どもたちもかわいくて仕方ないですし。
ー松川レピヤンに入社してよかったなと思うことはありますか?
弊社には「笑顔・笑声・礼儀・一生懸命・謙虚」っていう行動指針があるんです。
これまで松川レピヤンで働いてきた人たちが大切にしてることを言語化したもので、新しく入ってきた子にはこだわって教えています。
スキルとか知識について教えるわけではなくて、例えば挨拶を大事にするとか本当に基本的なことではあるんですけど。そこは絶対にぶらしません。
会社の社員としてこうあるべき、ではなくて人としてこうあるべき、ということを転職してから初めてこんなにしっかり教えてくれるんだっていうことに衝撃を受けました。
それがここにいるみんなとうまく仕事をできる礎というか基礎になってるんだろうなと思います。
ー確かに、今日御社に入ってきたときには従業員のみなさんが仕事の手を止めて、みなさんわざわざ立ち上がって挨拶をして出迎えてくれました。行動指針が全ての社員に行き渡っている実感がありますね。
ー最後に、これから転職活動や就職活動に向かわれるみなさんに、中村さんの経験などからお伝えいただけることがあれば、よろしくお願いします。
すごく大きなテーマになっちゃうんですけど、「自分を信頼してくれたり、認めてくれる会社はあるよ」っていうことです。私にとってはここでいろんなポジションを与えてくださったりチャレンジさせてもらえることで、1回味わった挫折がこの10年間の間にだいぶ和らいできました。
私も含めた氷河期世代の人たちって、他分野でもきっと無駄やわとかきっと断られるやろうなって就職に対するトラウマとか恐怖心がみんなにあると思いますし、今の会社を辞めたら路頭に迷うって考える方もいると思うんです。
けど、働きたいっていう人に対して、意外と世間は優しい一面もあるし、受け入れてくれるよっていうことを伝えたいです。
信じられない人には「一度うちの会社にきね」って言っちゃいますね(笑)
ー中村さん、ありがとうございました!
【応援企業情報】
株式会社松川レピヤン
所在地|〒910-0315 福井県坂井市丸岡町舛田20–5-1
TEL|0776-66-0158
WEB|https://rapyarn.jp/