※〈応援企業紹介〉の記事では、就職氷河期世代の方々をはじめ、就職や転職活動に向き合うみなさんを応援する福井県内の企業を紹介していきます。採用に対する企業の考え方や、転職経験のある方々の体験談から、ぜひ明日に向き合うヒントを見つけていただければ幸いです。

今回は、自動車のアルミホイールやフレーム、ブレーキ部品など各種アルミニウム製品の製造と販売を行う光生アルミニューム工業株式会社（福井製作所）の岩田さんと廣濱さんにお話を伺いました。

■採用担当者のお話｜岩田仁美さん

ー本日はよろしくお願いします。まず、御社の福井製作所では何人くらいの方が働かれているか教えてください。

いまは198名が正社員として働いています。派遣社員も含めると合計230名くらいですね。

ーどういった年代の方が多いんでしょうか？

平均年齢でいうとだいたい36、7歳ですね。ただ、実際に割合として一番多いのは40代の従業員です。次に20代が多いので、平均年齢としては30代に落ち着くという感じです。

ー採用活動はどのように行っていますか？

新卒採用のための求人は学生の就職活動の時期に合わせる形で行っています。

中途採用も行っていて、そちらは随時ですね。
40代50代の方でも、トライアル雇用という形で一旦入ってもらったりして、そこから本採用までつながることもありますよ。

ートライアル雇用というのは？

ハローワークの紹介を受けて、企業での短期の試用期間を経て本採用とするかどうかを決めるという制度です。全くの異業種から応募される方もいるなかで、「この仕事が自分に合うかどうか試してみたい」という方が多いですね。

期間が原則3ヶ月なので、弊社の場合には2ヶ月目くらいから今後どうしていくか（仕事として続けるかどうか）を求職者のみなさんと話しながら、実際に働いてもらうかどうかを決めていきます。

ーすごくいい制度ですね。どういった思いで取り組まれているのでしょうか？

もちろん、弊社の仕事にマッチングするいい人材を採用したいという思いもありますが、これから社会に出て働く皆さんを応援するという社会貢献のひとつかなとも思っています。

企業説明会などでいろんな求職者の方とお会いしますが、中には長期間働かれていない方もいるんですね。そういった方は、どこにいくにしても1日6〜8時間働くという体力が必要です。リハビリじゃないですけど、トライアル雇用の中で、それくらいの時間は働けるという自信と体力をつけてもらいたいと思いますね。

私はたまたまこうやってここに座って話していますけど、求職者のみなさんとは立場や状況がちょっと違っただけ。なので、企業として（社会や求職者のために）できることっていうのは、これからも行っていきたいと思います。

ー実際に人材の採用に向き合う場合には、求職者のどのような部分をみて採用の可否を決めていくのでしょうか？

結構シンプルに、志望動機が弊社と合っているかどうかはしっかり見るようにしています。

あとは、前の会社でどのように過ごされていたかや、転職をしようと思った経緯についてもお聞きしますね。とはいえ、基本的にはその時点でのその人を見ながら、前向きに仕事ができるかというところを評価するようにしています。それは若い人であっても、40代50代の方であっても一緒ですね。

ーでは最後に、就職氷河期世代のみなさんにお伝えしたいことがあればお願いします。

そうですね。実は、私も4回の転職を経験しています。いろんなプレッシャーがある中でなかなか一歩を踏み出すことは難しいと思うんですけど、人生一度きりですから、とにかくあきらめないことが大事だと思います。

あきらめなければ、受け入れてくれる会社は絶対にあるはずですから。

でも、最初から頑張ろうとしても疲れちゃうと思うんです。なのでまずは小さな一歩からでもいいから、ゆっくり踏み出してもらえたらと思います。

ー岩田さん、ありがとうございました！

■転職経験者へのインタビュー｜廣濱祥壱さん（48歳）

ーさっそくですが、廣濱さんは現在どんなお仕事をされているんですか？

現在は、弊社工場で出来あがってきた製品の外観検査を行う部署で働いています。10名ほどいる検査員の仕事を全体的に見ながら、商品基準に合った製品を出荷できるかどうかというチェックなどを行っています。

ーそれまではそういった職種のお仕事はされてきたんですか？

それが、全くしてないんです。前職では不動産関係の仕事を長い間していましたから。

ーでは、転職した経緯についてお聞きしてもいいですか？

前の仕事は朝早くに出発して夜遅く帰ってくるような感じで、子どもともなかなか会えなくて。休みも月に一回あるかどうかという状態でした。家族や義両親にも安心してもらいながらできる仕事がしたいと思ったのが自分の中での動機のひとつです。

転職しようと思ったときにどんな業種にするかは全く決めていなかったんですが、ものづくりを生業としている知人のつくったものをみたときに、ものづくりって楽しいだろうなと思いまして。今までそういうことをやってきたことはなかったんですが、ものづくりのできる業種で、かつ家族と一緒に過ごせる時間も取れそうなところを探して、弊社にたどり着きましたね。

ー転職活動を行うにあたって不安だったことはありましたか？

やっぱり仕事が変わるとなると、また一から人脈を作ったりとか、新しい職場に慣れるのかなとか、自分に本当に向いてるのかなとか、そういう不安はありましたね。前職はそんなに体を動かす仕事ではなかったので、体調面や健康管理的なところも大丈夫なんかとか、そういうのを家族は結構心配してました。

でも、いざ会社に入ってみたら、全然なんてことなかったです。
やっぱり、実際やってみないとわからないことって結構ありますね。

ー廣濱さんと同じように中途採用で入社される方は周りにも多いんでしょうか？

僕の周りは非常に多いですね。比率で言うと多分7:3ぐらいで中途採用者の人が多いんじゃないですか。最近では女性の方や外国人の方も増えて、本当に多種多様な方々が入ってこられてますね。

ー就職や転職、働くということに向き合う就職氷河期世代のみなさんに伝えたいことがあればお願いします。

僕の場合ですけど、会社に入ってみて仕事を進めていくなかで、「自分のしたいことってこれだったかな」って迷ってた時期があるんですよね。実際、一緒の時期に入った人でも、半年とか1年ぐらいでぱっとやめていった方もおられます。

でも、そこからさらに仕事を続けていきながら自分でやりたいことを見つけていったっていうか、その中で自分ができることや、何ができたかっていうことを突き止めていけるようになったので、やっぱりある程度の期間を自分で決めてみて仕事に向き合ってみるのがいいんじゃないかと思います。
転職される方だけじゃなくてこれから新しく就職される方もそうだと思いますけど、実際に挑戦してみてから、その中で自分が何ができるようになったかっていうのが僕は大事だと思っています。

いま自分にとって一番大事なことはこれなのかなっていう不安があったとしても、思い切って挑戦してみることで、その中から大事にしたいことを見つけられると思いますよ。

ー廣濱さん、ありがとうございました！

【応援企業情報】

光生アルミニューム工業株式会社 福井製作所
所在地｜〒910-3133 福井県福井市石新保町28-69
TEL｜0776-85-1081（代表）
WEB｜http://www.koseijp.co.jp/