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サポステふくい プログラム紹介

サポステふくいの多様なプログラム

働くことに踏み出したい15歳~49歳までの仕事をされていない方や就学中でない方たちとじっくりと向き合い、ご本人やご家族だけでは解決が難しい「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関 地域若者サポートステーション(通称:サポステ)

明日へのたよりでも「サポステふくい」についての紹介記事を掲載しています。

 上の記事でもふれているとおり、サポステふくいの特徴は、独自に実施している利用者向けの多様なプログラム。

今回の記事では、サポステふくいで展開されている様々なプログラムの一部を紹介しつつ、職員のみなさんの思いにも触れていきたいと思います。

自分を知るためのプログラム|自己理解〜自分の長所・強みを知ろう〜

自分に合った仕事を探すために、自己理解と職業理解が必要になってきます。自分の価値観・興味・能力(自分の強みやできること)を整理することで、自分らしさがわかります。

そのような自分自身に対する理解を深めるためのプログラムとして月に1度開催されているのが、「自己理解〜自分の長所・強みを知ろう〜」です。

このプログラムでは、ワークを取り入れた自己理解セミナーを実施しています。

これまでの経験から、どんな時に成功し、どんな時に失敗したかを振り返ることで、自分の性格や思考、行動のパターンを知ることができます。

自分の長所や短所、趣味や好きなこと、得意なこと、価値観を整理し、自分がやってみたい職業について考えていきます。

自分の強みと経験から自己PRへつなげ、就職活動の準備をするプログラムとなっています。

ワークシートに向き合うだけでなく、隣の参加者と話すことで「それってこんな風にも言い換えることができるかも?」と、色々な視点で自分自身を見つめ直す機会にもなっています。

他者の視点を借りることで、自分では気づけなかった強みを知り、自分の考えを誰かに伝えるために声に出してみることで、新しい発見となることもあります。

他者の力を借りながら自分自身への理解を深めていくことができるのも、サポステという場所で行われるプログラムだからこその強みかもしれません。

応募活動に向けたプログラム|面接対策

就職や転職活動のサポートという面では、「面接対策」プログラムも実施されています。

前半は、面接で見られることや相手に相手に伝わりやすい話し方のコツ、また、面接時の作法や、入室から退室までの一連の流れについて確認します。

プログラムの後半では入室から退室までの流れをロールプレイしてみることで、体でも動きを覚えていきます。

話を聞くだけでなく、実際に体を動かすことで、自分の動きのクセやどこが覚えられないのかが明確になります。

「お辞儀はもっと深めに」「声はもっと大きい方がいいですね」「もう少しゆっくり話したほうが聞き取りやすいです」など、プログラムを担当するサポステの職員さんからも客観的なアドバイスをもらうことができます。
 
面接に自信がないという人や、本番に臨む前に一度面接の流れを確認したいという人にはおすすめのプログラムです。

応募活動に向けたプログラム|パソコン講座

就職活動を行うにあたって、ちょっとでも自分にできることを増やしたいというときには、「パソコン講座」もおすすめです。

実際にパソコンを前にしながら、サポステ職員と一緒にその日のテーマに沿った操作を覚えていきます。

私たちが取材にいった日のテーマは「エクセル」。

操作や画面についての単語ひとつひとつを丁寧に説明してもらいながら講座が進んでいくので、全くパソコンを触ったことがないという人にも安心です。 

ワードやエクセルといったアプリケーションを使って基本的なパソコンの操作ができれば、事務職などへの就職といった選択肢も生まれてくるかもしれません。

そうでなくとも、パソコンが使えるということはそれだけでも自己PRの材料が増えて、自分の自信につながるはずです。
 
パソコン講座は月に3回程度のペースで開催されているので、意識的に復習を行えばより早い技術の定着も期待できそう。

自分のスキルに何かひとつ付け加えたいという人にはおすすめのプログラムです。

応募活動に向けたプログラム|メンタルヘルス講座

就職活動を続けることや、仕事へ向き合っていくことには、少なからず心身に負荷がかかります。

気づかないうちに無理をしすぎると、いつの間にか疲れがたまり布団から起き上がれなくなるという日がきてしまうかもしれません。

そんな状況を避けながら、うまく自分の心身の健康と向き合ってもらうためのプログラムが「メンタルヘルス講座」です。

この日のテーマは「体を上手に休めましょう」。

「夜なかなか眠れない原因はなんだろう?」「朝すっきり目覚めるために大事なことは?」

体を休めるための方法を人体のメカニズムとともに理解し、自分自身の暮らしを振り返りながら、今できていることや、改善したほうがいい点を見つけていきます。 

その回ごとに担当のサポステ職員がテーマを決めるので、どの回から参加しても大丈夫。

就職活動を行ったり、仕事をするときの土台となるのは、やっぱり自分の心と体です。

より健康的でハリのある生活を送るためにも、まずは定期的にメンタルヘルス講座に足を運んでみるというのも一つの手ですね。

サポステ卒業者へのサポート|卒業生懇親会

現在進行形で就職や転職活動を行う人への支援だけでなく、サポステの支援を受けて就職ができた人へのサポートプログラムも用意されています。

定着支援も、サポステが大事にしている支援の一つです。

月に一回開催されている「卒業生懇親会」は、サポステを卒業して仕事に就いた人を対象とした交流や勉強の場。

近況報告も兼ねながら、職場での嬉しい出来事や悩みごとなどを共有します。 

この日に参加されていた方からは、「このコミュニティでしか話せないことがあるし、ここに来ていろんな仕事の話を聞くことで新しい発見があります」という言葉もお聞きすることができました。
 
卒業後の個別相談支援はもちろんのことですが、定期的に開催されるこういった機会を生かして、1ヶ月のリズムをつくっていくことができます。

サポステふくいの思い

これまで見てきたプログラムは、たくさんあるプログラムのうちのほんの一部。サポステふくいでは、まだまだいろんなテーマに沿ったプログラムを実施しています.

このパートでは、実際にプログラムを行いながら利用者のみなさんとも向き合うサポステ職員の村中さんと清水さんにお話を伺いました。

ーサポステふくいでは本当に多様なプログラムを実施されていますね。

個別面談でじっくりお話を聞きながら、その方に合った就職先を見つけていくというのが私たちの支援の中心なのですが、プログラムに参加してもらうことによって担当以外の職員との関わりも増え、いろんな見方、違った視点での気づきを得られるということがありますので、そのようなところも大切なことではないかと思っております。

プログラムの数が多いとよく言われるんですけれど、基本的にはサポステ職員がプログラムを担当しております。

もちろん外部講師に依頼することもありますが、サポステ職員が対応することで、プログラムに参加していただいたみなさんの様子を各担当が共有しあうことができます。

参加者としても普段接しているサポステ職員が講師ということで安心して参加できるところがメリットかなと思います。

多様なプログラムに加えて、就労に向けたキャリアコンサルタント等、専門の相談員による利用者に合わせたサポートが受けられることもサポステふくいの強みです。

サポステでは最初の相談から6ヶ月での就職を目標にしているのですが、早い方ですと半年を待たずに就職されます。

3ヶ月ぐらいはじっくりプログラムで学んでから就職される方が多いですね。

とはいえ基本的にはその人のペースが大事なので、就職まで1年ほどになる方もいます。みなさん様々ですね。

ーいろんな講座があって、もちろんどれも大事な講座だと思うのですが、サポステふくいとしてこの講座は特に重要だなと位置付けているものはありますか?

コミュニケーションとメンタルヘルスは就職後も役に立つので、ぜひ受けていただきたい講座です。

また、就職氷河期世代に限らず、自分がこれからどういった職業に就くのがよいかわからずにサポステに相談に来られるという方も多いので、そういった部分については改めてこれまでのお仕事内容の棚卸しをしたり、自己理解を深める講座も重要になってくるかと思います。

コミュトレも、利用者にとってはすごく安心できる場所でありますので、そのようなプログラムもとても大事だと思います。

ーサポステのプログラムではグループワークをすることも多いと思います。個別ではなく、プログラムという開かれた場に参加してもらうことのよさを教えてください。

1人でやる就職活動って結構つらいことも多いんですけど、あの人が頑張っているなら自分も頑張ろうという相乗効果がグループワークでは出てきますので、やはりそういったプログラムを実施できるというのは他の就労支援機関にはないメリットなのではないかと思います。

はじめは集団の中での役がわからなくても、グループでの活動の中で少しずつ自分の立ち位置もわかっていく。

話し上手じゃない人はこういう役割でやっていこうとか、逆に人前に立ってみんなをまとめることが得意な人はそういう役割を担っていく。

いろんな役割の自覚化を通して自信をつけていったり、本来の自分らしさを取り戻していけるといいなと思います。

ー心理面でのサポートだけでなく、就労に向けた具体的な支援も多いですよね。

気持ちが整って準備できた方には、面接対策などに加えて、早い段階で企業見学をしてもらっています。

月1回行っている職場見学と作業体験が、サポステで用意しているプログラムです。

こちらは、本格的な応募前の見学や体験とはまた違って、いろんな仕事を知る、業種を知るプログラムになっていますので、企業見学や作業体験をする中で、自己理解が深められたりもします。

例えば、「ここができる」というその方の得意分野だけでなく、製造関係をやってみたいと思ったけれども実際に職場見学をしたり、仕事の体験をしてみたら「思ったより難しいかも」「自分はちょっと苦手かな」とそういうところに気づくっていうのも、やはり体験ならではの経験だと思います。

そこも個別面談の中で相談員と振り返って、実際にどういう仕事に向けて活動を進めていきたいのか相談できるようにしています。

経験のない仕事ってなかなかイメージが湧かないと思うんです。

前の仕事は自分には向いていないと思って辞めたっていうときに、これからの自分になにができるかってとても迷うところだと思うので、一緒に寄り添っていくことで自分だけでは気づかないところや一人だけではできないところを応援していくのが私たちサポステにできることだと思っています。
 
見学や体験に関しては企業さんからのご協力というのがとても大事なんですが、ここ数年私たちの取り組みをご理解いただける企業さんが増えて、本当にありがたいと思っています。

これからもいろんな職業をサポステを利用して就職される方々に役立てられるように、いろんなところを見学したり、体験したりしていきたいと思っています。

また、いくつかの企業さんからは、利用者がサポステの面談で自分の得意なことや興味関心を深めたうえでその企業に面接にきてくれている、ということ自体を「本当に就職したい気持ちが強い」というふうに見ていただいていることがありました。

そういった部分は、サポステを通して就職につながるメリットとも言えるかもしれません。

ープログラムのカレンダーをみると「チャレンジセミナー」というのが時折開催されているのですが、このプログラムはどういった狙いで実施されているんでしょうか。

サポステのプログラムはほとんどが職員が講師をするプログラムなんですけれど、外部の方にはいっていただくことで、職員だけと関わるのではなく段階的に外部の人と関わりを持つ練習をしてもらうという意味がひとつあります。

仕事に関する興味関心の自己理解ということでいえば、例えば、表現したいという気持ちに対して書道であったり絵画であったりというのが新たな自分を見つけるきっかけにもなります。

うまく絵を描けるようになるための講座ではなくて、何か表現してみたり、集中して何かに取り組んだりということで本来の自分を見つめてもらう時間にして新たな自分の興味関心にたどり着くような作業ですね。

あとはある一定の期間集中して講師の方の話を聞けるかという側面もありますし、日常生活で集団活動に慣れてもらうための入り口という意味合いもありますね。

ー卒業生懇談会など、定着支援にも力を入れられていますよね。 

取材していただいたように、定期的に卒業生懇談会を実施していますし、個別面談でのフォローも行なっています。

定着支援については、最近ですと企業さんからもご協力いただけることが多いです。

企業見学や仕事体験に参加した利用者がそのままその企業に就職した場合ですと、企業の人事の方から「(就職した利用者が)今こういうことで悩んでるみたいなんだけど」というようにお声をかけていただくこともあります。

そういったときには、もちろんご本人さんと共有することは共有させていただいて、ご本人さんの了解があれば企業さんと三者で面談をしたりさせてもらうことで、辞めずに済んだというケースもありました。

サポステとしてはなかなか実際に仕事をしている現場までは入っていけないので、そこは企業さん側の声が必要です。

さっきとは逆のケースで、本人さんとしては全然仕事ができていないと思っていたとしても、企業さんからするととても頑張っているっていうそういった評価もあったりとか、自分だけではわからない部分を評価いただくことでまた頑張れるようになるということもありました。
 
ーこれからもそういう連携が増えていくといいですね。

村中さん、清水さん、長時間に渡ってお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

【支援機関情報】

WEBサイトhttps://fukui-wss.com/

サポステふくい
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FAX|0776-21-0313
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若狭町サテライト
所在地|〒919-1504 三方上中郡若狭町大鳥羽27-13-4
若狭ものづくり美学舎内(JR小浜線 大鳥羽駅舎内)
TEL・FAX|0770-64-5620
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小浜サテライト
所在地|〒917-0074 小浜市後瀬町1-6 勤労福祉会館2階
TEL・FAX|0770-64-5620
開所日時|月~金曜日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)


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