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【求職者向け】セミナーレポート|「はたらく」と「じぶん」

令和6年2月24日、就職氷河期世代向けセミナー「『はたらく』と『じぶん』」が開催されました。

「はたらく」ことに向き合う上で、自分を知るということはとても大切なこと。

今回は「じぶん分析」「業界とじぶん研究」「じぶんを伝えるあれこれ」「じぶんのためのWebツール」という4つのテーマにそって、講座が行われました。


■「じぶん分析」

全4回の初回となるこちらの講座では、参加者が自身の心理的な選好傾向を知るとともに、就職活動や日常生活においても自己分析を行っておくことの重要性を確認していきました。

講師の向川恵美さん

16Personalitiesという無料の性格診断ツールを使って、内省的な自己申告アンケートに答えていくことで、自分の興味の方向性や外界への接し方などを「16種類の性格」に分類していくというもの。

この診断方法は世界中で50年以上にわたって使われており、現在でも多くの人の性格診断に役立っています。

アンケートに答えていく参加者

16種類の性格を表に表したもの。ここで自分がどのように世界を認識し、物事を決定していく傾向があるのかを大まかに掴んでいきます。

自身の性格タイプを確認したあとは、同じ思考の傾向を持つ参加者が集まってグループワーク。

与えられたシチュエーションにおいて、自分がどのような行動や思考を行うのか、考えを共有していきます。

とても素晴らしい景色が広がる場所に、スマホも何も持たず自分一人でいるとしたら、どう過ごす?

もし森の中で怪我している子鹿を見たらどうする?食べる?助ける?

ある程度同じ思考傾向を持っていても、微妙に答えが違ったり、タイプの異なる性格のグループとはそもそも思考のベースが異なったり。

共感できる部分やそうでない部分を感じていくなかで、自分自身の思考の特性についても整理していくことができました。

■「業界とじぶん研究」

2つめの講座は、「業界とじぶん研究」。

自分の理想を実現するためには課題を明確にしていく必要があり、課題を明確にするために自分自身の現状(仕事や働くことをどう捉えているか)を知ることが大切。

初回の講座で行った自己分析は自分自身の性格について理解を深めるものでしたが、こちらの講座では自分がどのような時代環境に身を置きながら生活しているのかという考え方を整理し、自分自身の現状を客観的に明らかにしていくためのヒントを得ていきました。

講師の大連達揮さん

私たちがもっている「はたらく」ことに対する価値観には、世の中の大きな流れが影響を及ぼしています。

世界の歴史の大きな変化や、戦後日本の復興、高度経済成長、人口減少社会への突入。
私たちを取り巻く環境は刻々と変化しますが、制度やシステムはそのままということも多くあります。

例えば日本は戦後から大きく人口が増加し、その中で(今後も人口が増える前提で)様々な仕組みや価値観がつくられてきました。

それらがいまの私たちの暮らしや仕事にも反映されていますが、いまや日本は人口減少社会。

そのなかで作られた制度や価値観が自分の教育環境や仕事に反映されています。

時代は移り変わってもなかなか仕組みや社会的な価値観が変わっていかない一方で、私たちが暮らす環境や個人の価値観はより多様化しています。

自分自身の価値観と社会的な仕組み・システムにはギャップがあるかもしれないということを認識した上で、自分の努力でなんとかできることと自分自身ではどうにもならないことを理解・区別していくこと。

そういった視点をもって自分の周りを見渡すと、自分の置かれている現状をより俯瞰的に捉えることができ、現状と理想の間にあるギャップに向き合うことができるようになるかもしれません。

■「じぶんを伝えるあれこれ」

3つ目の講座では、「じぶんを伝えるあれこれ」と題して、円滑なコミュニケーションのために大切なことは何なのか、誰かに情報を伝える際に気をつけたほうがよいこと、心がけたほうがよいことなどを様々な事例をもとに学んでいきました。

例えば、プレップ法(「結論」「理由」「具体例」「結論」の流れで情報を伝える文章構成)などのフレームワークを活用することや、行動心理学を日常に活かすことなどもちろん有効です。

しかし、自分の思いや意図を誰かに伝える際には、相互理解を深めながら相手が望んでいることを言えるかどうか、相手の気持ちを考えて話すことができるかどうかが大切。

相互理解を深めていくために意識しておくべき2つの違いは「脳」の違いと「世代」の違いです。

「脳」の違いについては1つ目の講座の内容とも重なりますが、人間には外交的な脳と内向的な脳という性質の異なる脳が存在し、その性質の違いによって同じ状況に置かれた場合にも判断や行動に違いが現れたりします。

「世代」の違いについては2つめの講座と重なりますが、例えば同じ商品のキャッチコピーでも、時代の変化とともに伝えるメッセージが変わってくることがあります(例:リゲインのCM|1989年:「24時間戦うあなたに」→2014年:「3,4時間戦えますか?」

同じ2024年を生きていても、脳の性質や育ってきた時代が違えば、価値観や特定の物事に対する情報量にも違いが生まれます。

そもそもそういった違いがあるということを理解しながら、どういった言葉や情報なら相手に届くかを考えるということは円滑なコミュニケーションを考えるうえで大切な視点です。

この講座でもう一つ大切なポイントとして伝えられたのは、相手に物事を伝えるとき、「事実と解釈」を分けるということ。

人は自分が見たこと(事実)と感じたこと(解釈)を混同して話してしまいがち。

写真に写っている子どもは「横になっている」が、転んだのか、自分で寝そべったのか、泣いているのか、笑っているのか。

先行した解釈を伝えてしまうことで誤解や勘違いを生んでしまうこともあるので、事実である部分と解釈である部分を明確にしながら、より正確に情報を伝える意識をもつことが大切です。

このほかにも様々な事例から「伝える」ことについて学びましたが、総じて重要なことは、様々な違いを前提としたうえでまず言葉を交わしてみること。

話し合ってみると、対話している人物と自分にはどこにどのような考えや価値観の違いがあるのかがわかるようになり、それは相互理解を深めることに多いに役立つのです。

■「じぶんのためのWebツール」

「みなさん、タスク管理どうやってしていますか?」という問いかけから始まった最後の講座は、「じぶんのためのWebツール」。

Webやアプリで無料で使うことができるタスク管理ソフトの紹介を中心に進んでいったこちらの講座は、どのように自らの生活や仕事を効率化するかについて学ぶ時間です。

効率化の目的は「時間という資産を有効に活用するため」。効率化による数秒の積み重ねにより生まれる時間を増やすことで、有意義に活用できる時間も多くなります。

タスク管理やメモの大きな目的は、思考に使えるメモリを増やすこと。

実は「思い出す」という行為はそれだけで思考のエネルギーを使います。アプリなどを活用してタスクを「忘れてもいい」状態にすることで無駄なエネルギー消費を押さえ、本来使える脳のメモリを目一杯使えるようにすることができます。

タスク管理の他、PC作業をする人であればショートカットキーの活用、音声入力や文字起こし機能の活用、デスクトップをきれいにしておくことなども効率化のコツとして紹介されました。

このほかにもまだまだたくさんの効率化テクニックが溢れていますので、ぜひご自身にあった効率化のやり方を調べて探してみてください。

■セミナーまとめ

今回のセミナーは、自分自身をどう客観的に理解し、そのうえで他者とどのように向き合う(コミュニケーションをとる)ことができるのか、ということを軸にして展開されていきました。

自分の性格にも特性があるように、自分以外の一人ひとりにも様々な特性・価値観があります。

今後の「はたらく」を考える上でも、そのような前提を持ちながら他者とのコミュニケーションを意識してみることが大切なことかもしれません。

参加できなかったみなさんへ

今回の講座に参加できなかったという方でも、サポステふくいハローワーク福井にいくことで、様々な講座やプログラムに参加することができます。

それぞれで受けられるサポートの内容はぜひ下記の記事でチェックしてみてください。